ミズーリ妥協(ミズーリだきょう)

[北米−近代]

アメリカ合衆国で奴隷制擁護派と反対派の間で成立した取り決め。 ミズーリ協定とも呼ばれる。 アメリカでは北部は商工業主体で早くから奴隷制を廃止した自由州であり、 奴隷制は非人道的であるとの見解が広がっていたのに対し、 南部は綿花の大規模農園で黒人奴隷を使用する奴隷州であった。 現アメリカ中部のミズーリ準州が州昇格する際には自由州・奴隷州共に11州であったが、 ミズーリが奴隷州として申請したため北部代表がこれに反発した。 この件に対し連邦議会では激しい議論が繰り広げられたが、 結果としてミズーリ準州を奴隷州とする代わりに 北部マサチューセッツ州の飛び地で独立を望んでいたメイン州を自由州として独立させることとした。 また今後西部の準州を昇格させる際には北緯36度30分以北の州は奴隷制を禁止することとした。 この案は僅差で可決され、以後この妥協通り自由州・奴隷州が昇格していった。 しかしこの妥協は後にカンザス=ネブラスカ法で破られ、 奴隷制の是非を巡る対立は激化して南北戦争勃発に至ることになった。

見出しのページに戻る
歴史小事典+歴史世界地図に戻る