明(みん)

[中国]

朱元璋が建国した江南より興った唯一の中華統一帝国。 朱元璋は都を南京に定め自分の息子達を王として地方に派遣したが、 この体制は朱元璋の死後数年にして息子朱[木隶]によって崩れ去る。 朱[木隶]=永楽帝は都を北京に移し、 積極的な外征や船団の派遣によって国威を大いに上げ、 明の最盛期を築いた。 しかし永楽帝の死後彼に匹敵する人物は表れず、明はジリ貧となる。 北ではモンゴルの末裔が跳梁跋扈し、一時は皇帝が捕虜にまでなった。 一方南では鄭和の航海の実績を捨ててしまい、 日本や中国南部の倭寇と呼ばれる海賊が猛威を振るっていた (北虜南倭)。 それに加えて本来国庫を潤す外交も、 朝貢外交のため(見栄のため)支出ばかりが増えた。 さらに内政でも永楽帝以来宦官に牛耳られまさに踏んだり蹴ったりであった。 末期には秀吉の朝鮮出兵によって軍事費も嵩み、 遂に勃興した女真族改め満州族によって追いつめられ、 李自成によって止めを刺された。 これだけジリ貧状態の続いた国も珍しい。

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