マウリッツ型(マウリッツがた)

[ヨーロッパ−近世]

80年戦争でオランダ独立派指導者のマウリッツが考案した陣形・ドクトリン。 当時無敵を誇ったテルシオに対抗するために生み出された。 特に陣形面での特徴は

・数千人のテルシオに対し数百人の大隊を基本とし、 より機敏に行動できるようにした
・テルシオがパイク(長槍)方陣の四方に銃を配置したのに対し、 パイク方陣の両脇に銃兵を並べた
・銃の比率を増やし銃を主、槍を従に改めた
・大砲・騎兵も機敏に動けるよう改め、歩兵と協調する三兵戦術の先駆けとなった

といったものである。 これらの特徴を発揮させるため、行進や銃の操作方法を細かく定め、 一律に行動できるよう将兵に猛訓練を課した。
これらの一連の改革により、独立派はスペイン相手に互角以上に戦い、 オランダ独立を成し遂げる原動力となった。 またこれらの内容は出版して西欧に広く紹介され、 ヨーロッパの「軍事革命」の発端となり、 後の「グスタフ=アドルフ型」などの原型となった。

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