ジャン=ポール=マラー

[ヨーロッパ−近代]

フランス革命期の政治家。 ロベスピエール・ダントンと共にジャコバン三巨頭と呼ばれた。 スイスの中流家庭に生まれ、各地を遊学の後ロンドンで医者になった。 そしてフランス王家に招聘され、王弟アルトワ伯の下で働いた。 しかしその立場に反し反体制的な思想を持ち、 フランス革命勃発後に新聞「人民の友」を発行し、 過激な政府批判で主に下層民の支持を集めた。 一時は発刊禁止処分を受けるもコルドリエ=クラブ、 後にジャコバン派の一部と合併した山岳派に属し、 得意の過激な言動でジロンド派を攻撃し、三巨頭と呼ばれる大物の一人となった。 しかし、ジャコバン派政権が発足するころに持病の皮膚病が悪化し、 専ら自宅に籠って入浴療養をしていた。 そして面会に訪れたジロンド派支持者の シャルロット=コルデによって暗殺された。
ロベスピエールに匹敵するジャコバン派恐怖政治の立役者であるが、 政権奪取後に病気療養しすぐに暗殺されたため、 政治家としての業績はそれ程でもない。 生前は「人民の友」の(現代の極左のような)過激な言動で、 そして死後は主に若い美女であるシャルロット=コルデ (暗殺の天使とも呼ばれる)に暗殺されたこと およびそれを描いたダヴィッドの絵画で有名である。

見出しのページに戻る
歴史小事典+歴史世界地図に戻る