マルティン=ルター

[ヨーロッパ−近世]

ドイツの神学者で、プロテスタントルター派の創始者。 鉱山経営者の息子として生まれ、教育熱心な父の下で最初は法律家を目指したが、 学業の行き詰まりと落雷を転機として修道士となった。 修道士には適正があったようで順調にキャリアを積んでいったが、 贖宥状の販売を切っ掛けとしてローマ教会に疑問を持ち、 遂には破門されるに至った。 しかし、ザクセン選帝侯を始めドイツ諸侯の支持を得ていたため ルターの身に危害が加えられることは無かった。 また支持者の内の急進派がドイツ農民戦争を起こしたが、 ルターはこれに組せず諸侯の側で穏健な改革を目指した。 その後北ドイツ・北欧に広まることになるルター派の形成に生涯を捧げた。
ルターは賛美歌(コラール)を推奨し、また聖書をドイツ語に翻訳した。 これらのことがバロック音楽・近代ドイツ語の形成に大きな影響を及ぼした。 なお、ツウィングリ率いるスイスの改革派との合同を目指したこともあったが、 最後の晩餐を巡る宗教的解釈の違いから物別れに終わった。

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