ルイ=フィリップ

[ヨーロッパ−近代]

オルレアン朝(七月王政)のフランス王。 最後のフランス王でもある。 ブルボン王家の支流であるオルレアン公家の長男として生まれ、 大貴族ながら自由主義的な教育を受け革命勃発後にはジャコバン派に加わる。 フランス革命戦争ではデュムリエの部下として参戦したが、 上官のデュムリエに巻き込まれる形でオーストリアに寝返ることになった。 これによって父は財産没収の上で処刑され、 形式上オルレアン公となったルイ=フィリップはスイスへ亡命し、 教師として暮らした。 その後各地を転々とし、ナポレオン1世の失脚後フランスに帰国した。 七月革命が起こると自由主義者に擁立されて立憲君主制の王となり、 自由主義的な政策を主導した。 しかし「株屋の王」と揶揄されるほど富裕層に肩入れしたルイ=フィリップは 制限選挙制を適用して選挙権は富裕層に限定し、 普通選挙制を求める国民の動きは弾圧した。 大多数の国民の不満が高まり二月革命が勃発すると、 退位に追い込まれイギリスへ亡命し、亡命先で死去した。

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