カンザス=ネブラスカ法(カンザス=ネブラスカほう)

[北米−近代]

アメリカ合衆国の奴隷制擁護派と反対派の間で取り決められた ミズーリ妥協の破棄を決めた法律。 現アメリカ中部で開拓の進展に伴い カンザス準州とネブラスカ準州が設立されることになったが、 この地で大陸横断鉄道の敷設を計画していた上院議員スティーブン=ダグラスは、 支持の拡大を狙って両州の奴隷制を禁止するミズーリ妥協を無効化し 州昇格時に奴隷制の是非を住民が決めるとする法案を作成した。 ダグラスは反対派の代表となっていたリンカーンと論争を繰り広げたが、 最終的にミズーリ妥協は奴隷制選択の権利を奪うものだとする意見で押し切り 法案を成立させた。 この法案に反対した奴隷制反対派は共和党を結成して 従来支配的であったホイッグ党に代わって北部で支持を集め、 もう一つの大政党である民主党内の奴隷制反対派もこれに合流した。 一方の南部の奴隷制擁護派は民主党でまとまって共和党に対抗し、 対立が過激化して南北戦争勃発へ至ることになった。 なおカンザス州は南北戦争勃発直前、 ネブラスカ州は戦後に州昇格したため、 奴隷制を廃止した自由州になった。

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