六月蜂起(ろくがつほうき)

[ヨーロッパ−近代]

二月革命後のフランスで発生した暴動。 16年前、七月革命後の六月暴動と区別して「蜂起」と呼ばれる。 二月革命で臨時政府が樹立し、 急進改革派主導で都市部の労働者保護のため国立作業場が創設された。 しかしその後普通選挙で穏健ブルジョワ派が勝利し、 農民の支持を得られなかった急進改革派の多くの候補は落選した。 政府の後ろ盾を失った国立作業場は財政圧迫のため閉鎖されることになり、 これに反対する労働者によるデモが発生した。 労働者代表と政府の交渉が物別れに終わると労働者たちはバリケードを作り、 武装蜂起に至った。 政府は穏健ブルジョワ派であったカヴェニャック将軍に鎮圧の全権を委任し、 カヴェニャック将軍は大規模な兵力を投入して バリケードを砲撃するなど徹底的な攻撃を加えた。 その結果蜂起軍は数千人の死者を出して鎮圧され、 捕虜となった数万人が政治犯としてアルジェリアに流刑となった。 こうして蜂起は鎮圧され、世界的にも1848年革命を終息させることになったが、 カヴェニャックを始めとした穏健ブルジョワ派は国民の人気を失い、 亡命先から帰国したルイ=ナポレオンに支持が集まることになった。

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