ジャコバン派(ジャコバンは)

[ヨーロッパ−近代]

フランス革命時に登場した党派。 元々は革命を主導した多くの人物が所属した党派であったが、 フイヤン派・ジロンド派が分離し、 急進派である山岳派が残って主導権を握った。 今日では山岳派主体の時期を指すことが一般的である。 ジャコバン派は革命を主導した人々が本拠地とした ジャコバン修道院(=ヤコブの修道院)に由来し、 山岳派は議会の議場で上段の席についていたことに由来する。 革命戦争でジロンド派が凋落すると、 急進派であるジャコバン派=山岳派が民衆の支持を集め、 ジロンド派を議会から追放することに成功した。 なお追いやられたジロンド派に共感したシャルロット=コルデによって、 ジャコバン派の有力者であるマラーが暗殺された。 政権を把握するとロベスピエール率いる公安委員会に絶大な権力が付与され、 反革命派の粛清などの恐怖政治が行われた。 なおこの時の恐怖政治がテロ・テロリズムの語源である。 ジャコバン派は農地の農民への分配、価格統制、 保護貿易政策などの後世の社会主義的な政策を実施した。 これら急進的な改革にはジャコバン派内部でも異論があり、 ロベスピエールは反対する者を粛清することで対処しようとしたが、 逆にクーデターを招き、失脚し処刑された。 ロベスピエールの死後、ジャコバン派の勢力は急速に衰え、 総裁政府・ナポレオンの弾圧によって消滅した。

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