第1次イタリア遠征(だいいちじイタリアえんせい)

[ヨーロッパ−近代]

北イタリアにてナポレオン指揮下のフランス革命軍とオーストリアの間で 行われた一連の戦いの総称。 ナポレオンが初めて戦略単位としての一軍を率い、 オーストリアを破って第一次対仏大同盟を崩壊させた戦役である。 総裁政府によってイタリア方面軍の司令官に任命されたナポレオンは、 対峙していたオーストリア・サルデーニャ軍に対し積極攻勢に出た。 兵力はフランス軍が若干劣勢であったが、 機動力を駆使したフランス軍が勝利し、 サルデーニャを降伏させた上でオーストリアの拠点マントヴァを包囲した。 これに対しオーストリア軍は援軍を続々と派遣したが、 ナポレオンによって次々に破られ、 マントヴァが陥落すると停戦に合意した。 最後にカンポ=フェルミオ条約が締結され、 オーストリアはネーデルラント(現ベルギー) とロンバルディア(北イタリア)をフランスに割譲し、 戦争から一旦脱落した。 また統治の都合のため北イタリアにいくつものフランス衛星国を成立させた。 オーストリアの脱落によって対仏大同盟は崩壊し、 革命戦争は次の局面へ移ることになった。

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