[中央アジア−古代・ローマ帝国]
ヨーロッパに大きな打撃と衝撃を与えた遊牧民。
起源については匈奴説やトルコ系説があり、はっきりしない。
遊牧民は文献資料を殆ど残していないため、今後も確定するのは難しいと思われる。
何れにせよ、歴史にはっきりと現れるのは、現在のロシア辺りを征服した頃からである。
ゲルマンの大部族であった東西のゴート族を撃破し、
ゲルマン民族の大移動のきっかけをつくった。
アッティラ王の代に最盛期を迎え、ヨーロッパの大部分を征服してローマ帝国を圧迫したが、
疫病や補給不足のため撤退した。
その後アッティラが急死すると勢力は衰え、他の民族に吸収されて消滅した。
フン族自体の繁栄は短かったが、後世に与えた影響は極めて大きい。
尚、ハンガリーは「フン族の国」の意味だが、実際の先祖は別民族のマジャール人であり、
タタールやインディアンのように誤解が定着してしまった例の1つである。