伯夷(はくい)

[中国−商・周]

史記列伝の最初に載せられた人物。 狐竹国の王族だったが、弟叔斉と国主の座を譲り合って2人共逃亡した。 後周の武王姫発が商を討とうとしたときに諌めるが聞き入れられず、 戦後「周の禄は食まず」と言って2人共首陽山で餓死した。 理想主義者で現実には何の役にも立たなかったが、 己の理想を貫いて死んだのは羨ましくもある。 史記では理想を貫きながら2人が死んだことで 「天道、是か非か!」と嘆いている。 また、兄を差し置いて跡取りになってしまった後ろめたさで 不良少年になった水戸光圀は、兄弟で国主の座を譲り合った場面に感動し、 一念発起して真面目になったという。

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