ギロチン

[ヨーロッパ−近代〜現代]

フランス革命時に導入された斬首刑の執行装置。 それまでフランスでは死刑は貴人は斧や剣による斬首、 庶民は絞首刑が行われていたが、 絞首刑は苦痛が長く続き、 斬首刑も失敗して苦痛が長引くことが多々あった。 フランス革命の勃発後、議員で医師でもあったギヨタンは人道的見地から、 処刑時の苦痛を最小限に抑える装置の導入を提案した。 この提案は当初は却下されたが、熱心な働きかけによって採用に至り、 「人道的」な処刑道具として採用された。 斬首用の装置はそれ以前から存在したが、 新たな装置は刃を斜めにすることで失敗なくスムーズに処刑できるようにした。 この装置は正式名称を「正義の柱」と言ったが、 提案者のギヨタンが有名になり、 ギヨタンの子=「ギロチン」と呼ばれるようになった。 元々は人道的理由から採用されたギロチンであるが、 スムーズに処刑できることから多用されるようになり、 特にジャコバン派独裁政権では恐怖政治の象徴となり、 大量の処刑は「ギロチンの嘔吐」と呼ばれた。 ギロチンは他国へも広がり処刑道具として 特に西欧諸国とその植民地で長く使用され、 フランスにおける最後の使用は1977年のことであった。 その後導入されていた西欧各国で死刑制度が廃止されたことで使われなくなった。

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