ギリシア神話(ギリシアしんわ)

[ギリシア−古代ギリシア]

古代ギリシアに伝わる神話。 ギリシアはアカイア人やドーリア人による征服が相次いだため、 神話にもその影響が表れ、実に登場人物が多彩な神話となっている。 つまり、征服した地の神を神話に取り込んでいるのである。 主神ゼウスに愛人が多いのも、 各地で崇められた天の男神と大地の女神のうち 男神だけが統合されゼウスとなった結果であるという。 またギリシアが哲学的に進み、神よりも人間中心の思想であったため、 ゼウスは常に妻ヘラの嫉妬を怖れる少々情けない神になった。 ゼウスの愛人以外でも、 アフロディーテはオリエントの大地母神イシュタールやアスタルテ、 アテナはその名もアナトという女神がモデルである(らしい)。 このギリシア神話は後のローマや欧米に多大な影響を与え、 思想のバックボーンとなっている。 また現代では、惑星や衛星の名前の多くがギリシア神話を基にした ローマ神話から付けられ(天王星の衛星を除く)、 また星座の名前にも使われて馴染み深いものとなっている。 しかし、そのせいでローマの神とギリシアの神が混同されやすいのも また事実である(特にアフロディーテとヴィーナス)。

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