ゲルマン人(ゲルマンじん)

[ローマ帝国・ヨーロッパ−中世以降]

現在の北ヨーロッパ系人種の祖先に当たる民族。 フィンランド以外の北欧・ドイツ・ベネルクス3国・イギリス人の共通の祖先である (ドイツだけではないのである) 。 紀元前ガリア人 (ケルト人) の勢力が衰えたころから出現したらしく、 森林地帯で狩猟生活を送っていたが、 度々ガリア人を襲って間接的にガリア人のローマ襲撃の原因となった。 ローマ帝国の成立後はその最大の敵として全兵力の約 3 分の 2 (ライン川及びドナウ川防衛線) が対ゲルマン人防衛に当てられた。 以来ローマ帝国へは略奪目的の侵攻を図ったり ローマの反撃を受けたりを繰り返していた。 帝国末期、フン族がヨーロッパへ侵攻してくると、 押し出される形で民族移動を開始し、ローマ帝国の衰退を早めた。 西ローマの滅亡後は、西ヨーロッパ各地で多くの国々を建国したが、 やがて一氏族であるフランク族がほぼ西ヨーロッパを統一し、 隆盛を誇った。 しかし、フランスより南では現地人であったラテン・ガリア人が多く、 ゲルマン人の方が彼らに徐々に吸収されていった。 また、北の末裔であるノルマン人はイギリス・ルーシ (ロシア)・シチリア等を征服し、 その足跡をさらに広い範囲に残した。

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