カール=フリードリヒ=ガウス

[ヨーロッパ−近世・近代]

ドイツの数学者・物理学者・天文学者。「数学王」とも呼ばれる大数学者である。 ブラウンシュヴァイクの煉瓦職人の子として生まれたが、 幼少時がら人並み外れた天才ぶりを発揮した。 1から100までの整数の和を即座に回答したという伝説は有名である。 小学校の校長を経てブラウンシュヴァイク公の知遇を得て、 ゲッティンゲン大学に進み、多くの業績を挙げた。 ただし当時は数学者は独立した職業と見做されていなかったため天文学者を志し、 ゲッティンゲン天文台の長となった。 また測量・電磁気学にも携わった。 ただし数学に関しては趣味として捕えていたようで、 多くの発見をしながらほとんど外部に発表せず、 死後膨大な遺稿が整理された際には数学の進歩が50年遅れたとまで言われた。 公爵の援助で研究していたこともあって保守的な人間で、 フランス革命やナポレオンには敵対的であり、 また業績の割に交友関係はあまり広くなかった。 また私生活では妻を相次いで亡くし、次男が夭折するなどあまり恵まれなかった。
ガウス本人は数学者ではないつもりだったようだが、 最大の業績はやはり数学であった。 ガウスが「数学の女王」と見做した数論では素数定理の予測や合同算術の表現の発明、 解析学では複素数や楕円関数の研究、さらに非ユークリッド幾何学、 最小二乗法、正規分布と数学のあらゆる分野で功績を残した。 そのため数学(ガウス関数・ガウス積分など)電磁気学(磁束密度単位のガウスなど) に多くその名を残している。

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