フランス二月革命(フランスにがつかくめい)

[ヨーロッパ−近代]

フランスで勃発した市民革命。 世界で広まりウィーン体制を崩壊させた1848年革命の1つで、 フランス最後の王政であるオルレアン朝を打倒し第二共和政・第二帝政へと繋がった。 ブルジョワジーを優遇し労働者階級を政治から締め出したオルレアン朝に対し 庶民の不満が高まっていたが、 飢饉による食料の価格高騰やシチリアの暴動を切っ掛けに爆発し、 パリで武装蜂起に至った。 国王ルイ=フィリップは政策を主導した首相ギゾーを罷免するなど沈静化を図ったが、 収拾に失敗し武装蜂起に至ると内乱を避けて退位し、イギリスに亡命した。 その後は第二共和政が成立したが、 王党派・穏健ブルジョワ派・急進改革派などが入り乱れ政情は不安定であった。 当初革命を主導したのは労働者に支持された急進改革派であったが、 社会主義的な政策が国民の多くを占める地方の農民には支持されず、 普通選挙が実施されると穏健ブルジョワ派が勝利し、 急進改革派の議席は王党派にも及ばなかった。 このことと労働者保護の場である国立作業場の閉鎖によって労働者の不満が爆発し、 六月蜂起を招いたが、多大な犠牲者を出した上で鎮圧された。 その後の選挙では亡命者故に武力鎮圧に関与していなかった ナポレオンの甥であるルイ=ナポレオンに支持が集まり、 ルイ=ナポレオンの大統領就任を経て第二帝政の成立へ向かうこととなった。
二月革命では先のフランス革命と同様王政を打倒してウィーン体制を崩壊させ、 共和政が成立した。 しかしこれまたフランス革命と同様政情が安定せず、 ナポレオンの後継者による帝政へと向かっていくことになった。

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