エラガバルス

[ローマ帝国]

ローマ皇帝。本名ウィリウス=アウィトゥス=バッシアヌス、 後にマルクス=アウレリウス=アントニヌス。 彼もカラカラ同様哲人皇帝と同じ名前をつけられた。 後世の作家にヘリオガバルスとも呼ばれるようになるが、 エラガバルスもヘリオガバルスも太陽神からとったあだ名である。 あだ名で呼ばれるローマ皇帝にロクな奴はいないが、 エラガバルスは恐らくローマ史上最もイカレタ皇帝である。 セプティミウス=セウェルスの皇后の妹の孫という血統から幼くして皇帝に祀り上げられた。 しかし、皇帝になった後は太陽神に対する信仰が度を越して祭儀(妖しい方の祭儀である) と悦楽に耽り、終いには「私は女である」と言い出す始末。 ネロも男と結婚したが、エラガバルスの場合他に何もしなかった。 最後は将兵に見放され近衛兵に暗殺された。 ローマの末期症状を見事に体現した存在と言えるが、 彼の死後ももっとまともな皇帝によりローマは存続する。

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