ドミトリー=ドンスコイ

[ヨーロッパ−中世]

初めてモンゴルのジュチ=ウルスに勝利したことで知られるモスクワ大公。 ドンスコイは「ドン川の」という意味の称号。 幼くしてモスクワ公となり、その後ジュチ=ウルスの実権を握っていた ママイの後ろ盾を得てウラジーミル大公にもなった。 その後ママイと対立し、クリコヴォの戦いでこれを破った。 このことが「タタールのくびき」脱却の最初の出来事として知られている。 内紛を繰り返していたジュチ=ウルスに対し、 モスクワはロシア正教と強く結びついて支配を固めていたことが勝因の一つとされる。 しかし、ママイを打ち破ったジュチの末裔のトクタミシュには敗北し、 再びモンゴルへの臣従を余儀なくされた。 それでもモンゴルに1度は勝利したことは彼の子孫に有利に働き、 ジュチ=ウルスがティムールの攻撃で弱体化したこともあり、 後の属国からの独立とロシア全域支配の基盤となった。

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