ドゼー

[ヨーロッパ−近代]

フランス革命・ナポレオン戦争期の軍人。 ナポレオンの友人であり、 「正義のスルタン」の異名を持つ名将として知られる。 フルネームはルイ=シャルル=アントワーヌ=ドゼー=ド=ヴェグー。 没落貴族の出身で、長じて軍人となった。 フランス革命が起こると革命側に身を投じた。 ジャコバン党独裁時代に処刑されかかったが、 難を逃れて政府の信頼を得、将軍となった。 総裁政府時代には主にドイツ方面で戦い、 ナポレオンらと並ぶ軍の重鎮と見られていたが、 ナポレオンのイタリアでの活躍により功績を奪われる形となった。 ドゼーは自ら画策してイタリア方面に異動となり、 以後ナポレオンが信頼を寄せる将軍となった。 特にエジプト遠征ではナポレオンの最も頼れる将として活躍し、 公正な統治で現地住民に支持された。 「正義のスルタン」の異名はこの時に付いたものである。 ナポレオンがエジプトを脱出する際に一緒に脱出するメンバーに選ばれたが、 途中イギリス軍に捕捉されて帰還が遅れ、 ヨーロッパに到着したのはナポレオンがイタリアで苦戦している最中であった。 別動隊を率いたドゼーはマレンゴで戦っていたナポレオン軍の下に 援軍として駆けつけ、 敵中突破して軍を勝利に導いた。 しかし、ドゼー自身は胸を撃たれて戦死してしまった。
ナポレオンの配下には多くの将がおり、名将と見られる者もいるが、 ドゼーはその中でも高い評価を受けている。 特にナポレオン自身は将として最高の評価をしていたようである。

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