クラッスス

[共和政ローマ]

ローマの政治家・富豪。カエサル・ポンペイウスと共に第一回三頭政治に加わった人物。 本名マルクス=リキニウス=クラッスス。 元々金持ちに生まれたが、ローマの内乱でスラにつき、 また彼自身の才能もあってローマ一の大富豪となった。 ちなみに彼は金貸しもやっていたが、1番彼からの借金が多かったのはカエサル。 女に貢いでいたらしい。 スパルタクスの乱では鎮圧軍を率いたが、 カエサルやポンペイウスに比べて軍才には乏しかったらしく度々破れ、 最後に反乱軍の無秩序と物量に助けられて辛うじて勝利した。 スラの死後のローマ政界で、海賊制圧やシリア遠征で名望を高めたポンペイウスと対立したが、 カエサルの仲介で和解、第一回三頭政治を始め事実上の政権に加わった。 カエサルがガリア遠征を進めている間、彼はローマにいて中央の政治運営を担当した。 しかし、カエサルの人気が高まるにつれ、自分にも軍事上の名声が欲しいと思ったのか、 シリアで対パルティア戦争を受け持つこととなる。 しかし、金はあっても将才の無いクラッスス、パルティア軍に破れ自身も戦死した。 彼の死によって三頭政治は破綻し、カエサルとポンペイウスは対決することになる。 また、パルティア問題の解決はオクタヴィアヌスの代、 およそ30年後まで待たなければならないこととなる。

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