[ヨーロッパ−近代]
フランス革命後に総裁政府が倒されたクーデター。
このクーデターによりナポレオンの独裁権力が確立された。
名前はフランス革命歴のブリュメール(霧月)18日にちなみ、
ブリュメール18日のクーデターとも呼ばれる。
元々クーデターを計画したのは総裁の一人となったシエイエスである。
シエイエスは政治の混乱の収束のため憲法を改正し
政府の権限を強化しようとしたが、
護憲派の多い五百人会(下院に相当)を通すのは無理と考え、
エジプトから(部下の兵を見捨てて)帰国していたナポレオンを利用し
クーデターを起こすことにした。
五百人会にナポレオンを招き入れ、
武力を背景に憲法改正を強行しようとしたが、
逆に議員達の反発を招いて騒然とし、
ナポレオンの演説も出来ない有様となり一時退出せざるを得なくなった。
そこで議長を務めていたナポレオンの弟リュシアンが
議場の外にいた軍隊に呼びかけ、
その力によって議会を強制的に解散させた。
その後憲法は改正されたが、
シエイエスの思惑とは異なりナポレオンが武力を背景に自己の意志を押し通し、
自らが主導する統領政府が発足することとなった。
ナポレオンは自ら第一統領となり、
他の統領であるカンバセレス・ルブランを従属化させ、
元老院議長にしたシエイエスから実権を奪い、
独裁権力を握ることとなった。