ローマ法大全(ローマほうたいぜん)

[ビザンティン帝国]

ビザンティン帝国のユスティニアヌス大帝の代にまとめられた ローマ法の集大成。 ローマは共和政時代からとりわけ法を重視する民族であったが、 現代のイギリスのように成文憲法のようなまとまった基準を持たなかった。 法の廃止もせず、別の新しい法の発布によって上書きしていたくらいである。 帝政の全盛期は統治機構の整備によりそれでも機能していたが、 帝国の混迷と新しい価値観であるキリスト教の台頭により、 新たに整備する必要に迫られた。 古代帝国の再現を理想としたユスティニアヌス大帝は、 一大プロジェクトを発足させ、ついにローマ法の集大成を作り上げさせた。 それが後世「ローマ法大全」と呼ばれるものである。 勿論ここで言う「ローマ法」とは、 最早「ローマ」とは言い難いユスティニアヌス大帝の東ローマ (ビザンティン) 帝国のことである。 ユスティニアヌスはこの「ローマ法大全」のおかげでダンテの 「神曲」の中で天国に行っているが、 事実この「ローマ法大全」がその後ビザンティン帝国の法の基準となったのである。

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