[ヨーロッパ−中世・近世]
ポーランドの天文学者・カトリック司祭。
地球が太陽を中心として回るという地動説の提唱者として有名である。
ポーランドのトルンでドイツ系の銅を商う商人の息子として生まれた。
姓のコペルニクスは「銅屋」を意味するコペルニクのラテン語読みである。
年少時に両親を亡くし、司祭の叔父に育てられ、
クラクフ大学に入学して天文学と出会った。
さらにイタリアに留学して法学博士号を取得したが、
聖職者としたかった叔父の意に反して天文学へのめり込んでいった。
月を始めとする天体運行をより自然に説明するため
地動説の理論を深めていったが、
作成した論文をまとめた「天体の回転について」は
影響を警戒して死の直前まで発表しなかった。
実際後世になって著書が聖書の内容に反するため
教皇庁により一時閲覧停止となり、
単なる数学上の仮定という但し書き付きで許可された。
実際には天動説は紀元前にアリスタルコスによって提唱されており、
コペルニクスの業績は師匠によって再発見されつつあった地動説をまとめたものを
出版したことであった。
これはコペルニクス自身が危惧した通り聖書の天動説を絶対視する教会によって
長いこと日の目を見なかったが、
後のガリレオ、ケプラーによる天体運動の理論、
さらにニュートンの万有引力の原理の発見へと繋がる重要な著作となった。