コンモドゥス

[ローマ帝国]

ローマ皇帝。五賢帝のマルクス=アウレリウスの不肖の息子。 本名ルキウス=アエリウス=アウレリウス=コンモドゥス。 哲人皇帝マルクス=アウレリウスの夭折しなかった唯一の息子であるが、 特に父の死後単独で皇帝となると、政治を省みなくなった。 自ら剣闘士試合に参加し、左利きの剣士で実際に強かったという。 しかし、いくら剣が強くともローマの防衛を省みないコンモドゥスは ローマ市民にも兵士にも見放され、ついに暗殺された。 死後元老院により記録を抹殺されたが、そもそも抹殺する程の事跡が無かったともいう。 彼の死後、後継者ペルティナクスの暗殺により、 ローマは再び内乱の時代へと突入することになる。
映画「グラディエーター」は勿論フィクションであるが、 あのように描かれていても文句が言えないような愚帝である。 父マルクスが有能ではあるが内向的な哲人皇帝であったため、 また戦場を駆け回っていたためか、あまり影響を受けずに育ってしまった。 残された彫刻も顔だけは父に似ているが、無気力な表情をしている。 剣の強さだけでは指導者としては役に立たないことを実証してしまった人物である。

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