[ヨーロッパ−近世]
大航海時代に最初にアメリカに到達した航海者。
ちなみに名前は英語でクリストファー=コランバス、
イタリア語でクリストーフォロ=コロンボ、
スペイン語でクリストーバル=コロン。
コロンブスと呼ぶのは日本だけらしい。
前半生は不明だがイタリアのジェノヴァ出身と言われている。
この時代の航海者として西廻りでのインド到達を志し、
最初はポルトガルに話を持ち掛け援助を請うたが、
アフリカ廻り航路の開拓が順調だったポルトガルはこれを断った。
次にコロンブスは統一して生まれたばかりのスペインに赴き、
ポルトガルにやや後れを取っていたスペイン、
特にカスティーリャ女王のイザベラの援助を得ることに成功した。
そして3隻の船を率いてアンダルシアのパロスから出航した。
途中島が無く予定以上に時間がかかって乗員の反乱の危機もあったが、
遂にサンサルバドル島に到達した。
ここで現地人と交流・さらに略奪を行い、付近を探索した後帰国した。
この到達によりスペインで大歓迎され、さらに総督職などの特権も獲得した。
しかしその後総督として再びアメリカに渡ったが、
現地人との交流に失敗して虐殺・略奪を行い、
さらに統治の不味さから反乱も招いた。
イザベル女王の死後はスペインの援助も絶え、
最期はスペインで病死した。
コロンブスはこの時代の航海者として初めてアメリカに到達した人物である。
なおヨーロッパ人としてはヴァイキングが先に北米に到達したことが
ほぼ確実らしいが、
後が続かなかったため長年アメリカ発見者の栄誉はコロンブスが得ていた。
ただし彼の偉業は完全に発見の瞬間までで、
その後の現地での振舞いは最悪であった。
彼は始めから原住民を見下し、奴隷或いは略奪対象としか見ていなかった。
当然為政者としても駄目駄目で、
総督としてまともな統治なぞ出来なかった。
またアメリカには到達したが、彼自身はそこが最後までインドだと信じ、
そのためこの新天地の名はそこが新天地だと発見したアメリゴ=ヴェスプッチから
アメリカと名づけられた。
コロンブスの名は南米のコロンビアなど一部に止まったのである。
このように偉人と呼ぶにはあまりにお粗末な状態で、
正に「一発屋」「幸運を掴んだ山師」と呼ぶに相応しい人物であった。