ジャン=バティスト=コルベール

[ヨーロッパ−近世]

フランスのルイ14世に仕えた政治家。 財務総監を務めルイ14世の富国強兵を支えた。 商人の子として生まれ、宰相のマザランによって抜擢され財政管理を任された。 マザランの死後フーケの失脚に伴い財務全般を任されるようになり、 後に財務総監、さらに海軍大臣や建築総監も兼任した。 コルベールはフーケ時代の放漫財政で悪化した財政の再建に取り組み、 政府と癒着しいていた金融業者を摘発した。 また金銀の保有を重視する重商主義の視点から、国内の産業(工業)の振興と輸出増大を図り、 またその保護のため輸入品の関税を重くする保護貿易政策を実施した。 さらに植民地政策を推進、その防衛のため海軍強化も行った。 これらの政策によりフランスの国家収入は増大し、 ルイ14世による覇権獲得のための基盤となった。 コルベール自身はルイ14世同様早朝から勤勉に働き、「大理石の人」と称された。 一方陸軍大臣ルーヴォワ候と対立し、それに対抗するため一族を抜擢して派閥を形成した。 そのためコルベールの死後海軍大臣となった息子の他、一族から政治家を何人か輩出した。

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