クラウディウス
[共和政ローマ・ローマ帝国]
- ローマの名門貴族の一つ。ユリウス=クラウディウス朝の頃には、
ユリウス一門と親戚になり、皇族になっている。
- ローマ帝国第4代皇帝。最も暗愚なローマ皇帝と言われるが、その治世は決して劣悪ではない。
生来内向的で、いつも兄ゲルマニクスの陰に隠れていた。
甥のカリグラは叔父を苛めて楽しんでいた。
本来なら、そのまま冴えない歴史学者として一生を終えたのかもしれないが、
カリグラの暗殺により、唯一の皇族として皇帝に推戴された。
最初の元老院での演説ではあまりの話の下手さに失笑を買ったが、
その後の統治ではなかなかの才覚を発揮、ブリタニアやモーリタニアの属州化に成功した。
しかし、やはり内向的な彼は表舞台に出ることを好まず、
しだいに政治も側近、それも解放奴隷の側近に任せるようになった。
最初の皇后メッサリナは陰謀と不倫の罪に問うて処刑し、姪にあたる小アグリッピナと再婚した。
しかしこの小アグリッピナ、ネロの母として有名だが、
兄カリグラと近親相姦したことも有名という女である。
息子ネロを帝位に就けるため、クラウディウスを暗殺した。
彼の知能は決して人並より劣ってはいなかったが、内向的過ぎる性格のため、
長い間評価されなかった。
治世の後半には賢明とは言えない側近に頼りきってしまい、
叔父ティベリウスと同じ過ちを犯してしまった。
しかし彼の時代、とくに治世前半はローマは順調に発展したのも確かである。
カリグラやネロよりはよほど良い皇帝だったと言えるだろう
(その辺と比べても仕方がないが)。
- 軍人皇帝時代のローマ皇帝。クラウディウス=ゴティクス(ゴートの征服者)と称せられる。
当時皇帝を輩出していたイリリクム出身。
ガリエヌス配下の将軍だったが、ガリエヌスの暗殺によって皇帝に推戴される。
(彼も先代の暗殺によって皇帝になった。)
その治世は短かったが、バルカン半島に南下してきたゴート人を打ち破り、
ゴティクスの称号をうけた。
軍事的には優れた将軍だったが、政治力を発揮する機会には恵まれず、
ローマの混乱はさらに続くこととなる。
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