キケロ

[共和政ローマ]

共和政ローマの雄弁家・哲学者・政治家。 エクイテス出身で、若い頃から雄弁家としての才能を示し、弁護士として高名になった。 やがて政界にも進出し、官僚としてもその才を示した。 当初は名将ポンペイウスを支持していたが、彼がクラッスス・カエサルと手を結ぶと、 それに反発し、閥族派の中心的人物となった。 やがて政界を追われるが、ポンペイウスを焚きつけてカエサルと反目させ、復権をねらった。 しかし、ポンペイウスがカエサルに敗れたことにより目論みは外れ、 カエサルの寛容政策によって身の安全は保たれたものの、政界からは身を引いた。 カエサルが暗殺されると暗殺者たちを支持し再び政界復帰を目論むが、 意に反してカエサル派がローマ市民の支持を得たため失敗、 アントニウスの手の者によって暗殺された。 彼は弁舌巧みな能吏であり閥族派の中心人物であったが、先見の明を持った政治家では無かった。 彼の死とともに閥族派の時代も終わったと言えよう。

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