イングランド国教会(イングランドこっきょうかい)

[ヨーロッパ−近世〜]

近世イングランドで成立したプロテスタントの宗派。 イングランドの教会は近世までカトリックの教会であったが、 ヘンリー8世がキャサリンとの離婚を教皇に認めてもらえなかったことから カトリックと決別し、 自らがイングランドの教会の首長であるとした。 またイングランドの教会も政治的理由から王に従い、 王の離婚と愛人アン=ブーリンとの再婚を認めた。 遂に教皇はヘンリーを破門し、 ヘンリーは首長令を公布してカトリックから独立することとなった。
他のプロテスタント宗派が宗教的及び政治的理由でカトリックと分かれたのに対し、 イングランド国教会は上記のようにほとんど政治的理由のみで分かれたため、 典礼の面ではカトリックとの差はあまり無い。 最初はプロテスタントと呼べるような点は何も無かったが、 ヘンリーの死後息子のエドワード6世の代に改革が始まり、 途中メアリの反動があったものの エリザベス1世の代に本格的な国教会としての第一歩を踏み出した。 その後保守派と改革派である清教徒との対立が 清教徒革命の原因の1つになったりもしたが、 一連の革命の結果国教会はイングランドに定着した。

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