[ヨーロッパ−近世]
近世のフランス王。
「温厚王」と呼ばれるが、それよりもイタリア戦争を始めた王として知られる。
兄は皆夭折しており、父ルイ11世の死後13歳で即位した。
即位当初は年少故姉夫婦が摂政として政務を取り仕切ったが、
長じてハプスブルク家のマルグリットと政略結婚したが、
勢力拡大のためマルグリットと離縁しアンヌ・ド・ブルターニュと政略結婚した。
この際マルグリットを父マクシミリアンが武力に訴えるまで返さないなど
酷薄な対応が目立った。
これ以降親政を執るようになり、
ナポリ王国の継承権を主張してイタリアに進軍した。
これがイタリア戦争の始まりとされる。
当初は順調に侵攻しナポリ王として戴冠まで漕ぎつけたが、
後に教皇や北イタリア諸侯が離反し、
多大な損害を出してフランスに逃げ帰ることになった。
またこの失敗で莫大な負債を抱えることになった。
以後巻き返しを謀る間もなく鴨居に頭を打ちつける事故で若くして死去した。
兄弟息子全て夭折していたため、ヴァロア朝の本家は断絶し、
親戚のオルレアン公がルイ12世として跡を継いだ。
温厚王と呼ばれているが、何故そう呼ばれることになったかはよく分からない。
野心ばかり立った困ったちゃんにしか見えないのだが。