カラカラ

[ローマ帝国]

ローマ皇帝。本名ユリウス=バッシアヌス、後にマルクス=アウレリウス=アントニヌス。 よりによって哲人皇帝と同じ名前をつけられた。 カラカラとは彼が好んで着たガリア風の頭巾付きマントである。 セプティミウス=セウェルスの長男。 ローマ皇帝であだ名で呼ばれる皇帝にロクな皇帝はいないが、カラカラも暴君と呼ばれる。 父によって弟ゲタと共に後継者となり、共治帝となった。 しかし、父の死後弟ゲタを殺害し、肖像から顔まで削り取らせ、 ただ一人の皇帝として独裁権力を握った。 父の「軍隊の信望を損なうな」との遺命に忠実に待遇改善を図ったが、 そのために重税を課し、国力を減衰させた。 帝国領内の全市民にローマ市民権を与えたが、それも税収増額のためであったという。 怪力と狡猾さの持ち主で、暗殺を恐れて猛獣と共に眠っていたという。 しかし、パルティア遠征中に反乱にあい暗殺された。 有能だが冷酷と言われた父をさらに極端にしたような人物であった。 彼によって帝国の没落はさらに進んだ。

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