ブワイフ朝(ブワイフちょう)

[中東−中世]

アッバース朝を傀儡としてバグダッドの実権を握った王朝。 別名ブーヤ朝とも言う。 建国者は自称ササン朝王家の末裔 (実際は名門とは程遠い家系であったらしい) ブワイフの息子3兄弟で、 長男アリーがイラン南部のファールス地方、次男ハッサンが北西部のメディア、 三男アフマドがバグダッドを攻略した。 ブワイフ朝はシーア派の12イマーム派の中の穏健派であったが、 スンナ派が多い地域を支配するためにアッバース朝カリフを傀儡とし、 その権威を利用した。 しかし、王朝の成立過程から王朝内部の統一性を欠き、 特にファールスとバグダッドの政権は主導権を巡って度々対立した。 それによって瞬く間に国力が衰退し、 実権をトルコ系マムルークに奪われ、 やがて新たに勃興したセルジューク朝によって滅ぼされた。

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