武則天(ぶそくてん)

[中国−唐(周)]

中国史上唯一の女帝。中国で女帝と呼ばれる人は数多いが、 本当に即位してしまったのは武則天のみである。
唐の太宗の後宮に入ったが、その死後慣例に従って尼となる。 しかし、次の高宗の寵愛を得、 また後宮の権力争いの都合で後宮に返り咲く。 その後謀略で他の皇后や寵妃を陥れて皇后の地位を得、 さらに息子を含む政敵を殺戮して実権を握り、 遂には息子を廃して自ら皇帝となり、国号を周と改める。 その施策は貴族に押し込められていた新興勢力の支持を得たが、 やはり政権を握るまでの強引な方法に無理があったため、 彼女の死後周は滅び、唐が復活する。 また、歴史の上では「武韋の禍」と呼ばれ完全に悪役にされている。 政策には見るべき点もあったが、政権を握るための陰謀や殺戮、 また密告を奨励する恐怖政治など、 悪役にされても文句の言えない所である。
尚、武則天は則天文字と呼ばれる17のオリジナル漢字を作っている。 内1文字が日本でも使われた。水戸光圀の「圀」がそうである。

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