文公(ぶんこう)

[中国−春秋・戦国時代−晋]

春秋の5覇の1人。名は重耳。 文公の家は晋の分家で、 文公の祖父武公の代に本家を滅ぼし晋の主となっている。 父献公が驪姫を寵愛し、 後継者争いで太子申生が死ぬと重耳と弟夷吾 (管仲の字と同じ名の公子)は晋を脱出、家臣と共に亡命生活に入る。 夷吾が秦の穆公の助力で晋国主に即位した後も、各地を流浪する。 ちなみに献公と夷吾=恵公の代に晋の公子はほとんど殺され、 以後晋では家臣達の権力が大きくなる。 流浪の際斉の桓公、楚の成王らの知遇を受ける。 恵公やその子圉は不実な人 間で、秦の穆公の恩を仇で返したので、 怒った穆公によって重耳は晋の国主に立てられた。 辛苦を共にした家臣の助力で晋は国力を増大させ、 楚との戦いに勝利し覇者となる。 在位僅か5年であるにも関わらず、文公は晋で最高の名君となった。 政治や軍事の実務は部下が行ったが、 文公には強い個性を持った彼らをまとめる魅力があった。

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