[全世界−古代以降]
仏陀により創設された宗教。世界3大宗教の一つ。
シャーキャ (釈迦) 族の王子であったゴータマ=シッダールタが世の中に疑問を持って出家し、
悟りを開いて仏陀となった後に広めた教えが原型である。
欲望を捨て、死や苦痛を受け入れて思い悩むことを止めること (解脱) を目的とし、
出家した者は修行に励む。
また、同時代に生まれたジャイナ教と同じく、カースト制を否定した。
後に発祥の地であるインドでは廃れたが、オアシスルート (シルクロード) 、
マリンルートを通して東アジア・東南アジアに伝わり、それぞれ広まった。
ちなみに中央アジアにはインドを征服したクシャン族を通じて伝わり、
アフガニスタンのバーミヤン石窟はエフタルの時代にできたと言われている。
現在の仏教は原型に近い東南アジアの上座部仏教と、
目的を衆生の救済に拡大した東アジアの大乗仏教、
チベットに起こりモンゴルにも広まったチベット仏教 (ラマ教) に大別される。
大乗仏教は仏教の改革運動によって生まれた宗教で、
東アジアに根付いた。
東南アジアにも最初に大乗系の仏教が中国から伝わったが、
後に原典に近い上座部が伝わり、大乗仏教を駆逐した。
仏教は、キリスト教・イスラム教と違い多神教なので、比較的容易に他の宗教と融合した。
そのため、インドではヒンズー教の一派として徐々に廃れたが、
日本では神道と融合して溶け込んだ。
元々宗教は多神教の方が多いのだが、現在3大宗教の他の2つが一神教なので、
仏教がやや特殊な存在となっている
(尤も、キリスト教やイスラム教でも融合は起こっているのだが)。