ボストン茶会事件(ボストンちゃかいじけん)

[北米−近世]

アメリカのマサチューセッツ植民地で発生した アメリカ独立の切っ掛けとなった事件。 イギリスは相次いだ植民地戦争の戦費調達のため、 植民地で新規関税を主体とした増税を実施した。 植民地は議会に代表を送れないこともあって反発が強まり、 イギリス本国も多くの新税を撤廃せざるを得なくなった。 そこでイギリスは新たに茶法を制定し、 オランダからの茶の密輸を禁止し、 東インド会社に茶の独占販売権を与えた。 これに対しても権益を脅かされる植民地の商人たちが反発し、 反対運動が展開されていった。 そして遂にボストンにて東インド会社の貿易船が 急進派市民グループによって襲撃され、 積み荷の茶が海に投げ捨てられる事件が発生した。 これがボストン茶会事件である。 イギリス本国はこれに対して損害賠償を要求し、 さらにボストンを軍政下に置いて圧政を行った。 これを切っ掛けに本国と植民地の対立はさらに先鋭化し、 独立戦争の勃発へ至ることとなった。
なお茶法によって植民地での紅茶のボイコット運動が発生し、 現代に至るまでアメリカではコーヒー派が増えることとなった。 なお「茶会」と呼ばれるのは、 海に投げ捨てられた茶を見たボストン市民が 「茶会を開いた」と冗談を言ったのが始まりと言われている。

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