ルートヴィヒ=ヴァン=ベートーヴェン

[ヨーロッパ−近世・近代]

ドイツの作曲家で、ハイドン・モーツァルトと共に古典派三大巨匠と呼ばれ、 また「楽聖」の異名も持つ最も高名な作曲家の一人である。 ドイツのボンで、音楽家の息子として生まれた。 ただし父ヨハンは大酒飲みで家計は苦しく、 一方でモーツァルトに倣って息子にトラウマになる程の音楽スパルタ教育を施した。 ウィーンへ旅しモーツァルトに弟子入りすべく面会したりしたが、 母の危篤(間もなく死去)によりボンへの帰省を余儀なくされた。 その後父の代わりに家計を支えていたが、 ハイドンへの弟子入りに成功し、本格的な音楽教育を受けた。 ピアノの演奏家として名をはせたが、難聴により演奏家としての道を断たれ、 自殺を考えるほどに苦悩した。 さらに病状が悪化して全聾に至るが、作曲活動を行い名だたる大作を世に送り出した。 晩年には弟の忘れ形見である甥カールを後継者にしようとしていたが、 もう一人の弟ニコラウスやカールの母ヨハンナに反対され、 さらに当のカールが自殺未遂を起こし断念せざるを得なかった。 その直後体調を崩し肝硬変で死去した。
ベートーヴェンは生涯難聴のみならず腹痛や下痢に悩まされ、 大変な神経質になってしまい、変人ぶりが世に知られていた。 しかしそんな中で作曲活動を行い、後世最も有名な作曲家の一人となった。 ベートーヴェン以前の作曲家は有力者をパトロンとして作曲していたが、 ベートーヴェンは独立した芸術家として大衆のために曲を世に送り出し、 近代作曲家の先駆けとなった。

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