[シ維]水の戦い(いすいのたたかい)

[中国−楚漢]

楚漢戦争中に漢軍と楚・斉軍の間で行われた戦い。 劉邦は韓信に斉の征服を命じたが、 同時に[麗β]食其を使者として派遣して斉と交渉し、 漢に従わせることに成功した。 韓信は軍の進発後にこの事実を知ったが、 説客[萠リ]通に 「このままでは儒者([麗β]食其)の功績が将軍を上回ってしまう」 と唆されて侵攻を続行し、[麗β]食其は怒った斉王によって釜茹でにされてしまった。 斉は項羽に援軍を求め、項羽はこれに応じて龍且率いる軍を派遣した。 韓信は自軍の倍の楚・斉連合軍と相対することになったが、 戦場となった[シ維]水を前にして敵を分断する作戦を行うことにした。 まず河の上流で水を塞き止めておいて、先鋒を渡河させて敵を誘い出す。 敵の半数が河を渡った時点で上流で堰を切って敵を分断、 混乱し半数になった敵を全軍で叩き潰し、 主将龍且を討ち取られて混乱した残り半分も潰走させた。 こうして韓信は斉を征服したが、 戦後処理で仮王の地位を求めたことで劉邦に疑念を抱かせることになり、 戦後左遷させられる切っ掛けとなった。

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