[北米−近代]
南北戦争中に行われた戦い。
北軍のマクレラン将軍率いるポトマック軍と南軍のリー将軍率いる北バージニア軍という
双方の主力部隊同士の戦いであり、
一日の戦闘としてはアメリカ史上最も犠牲の大きい戦いとなった。
当初兵力が優勢であったポトマック軍が南軍領土に攻め入っていたが、
リーが北バージニア軍の司令官になると形勢が逆転し、
撃退された上北軍領土に逆侵攻された。
この逆侵攻した南軍に対し北軍は領内のメリーランド州で迎え撃ち戦いとなった。
参加兵力は北軍が南軍の2倍と優勢であったが、
双方敵の奇襲を警戒して予備部隊を用意し、
特にマクレランは最後まで戦闘に加わらない予備を残していた。
また劣勢であったリーは地形を防御に利用して互角に戦い、
双方の損害もほぼ同等であった。
リーは情勢の不利を悟って撤退し、
マクレランは勝利を確実にすることを重視して無理な追撃をせず、
結果として痛み分けに近い形で北軍が勝利した。
大統領リンカーンはこの勝利が好機と判断して
奴隷解放宣言の予備宣言の発布に踏み切った。
そのためこの戦いは戦術的以上に戦略的・歴史的に大きな意味を持つことになった。
一方2倍の兵力を持ちながらほぼ痛み分けに近い結果となったことには不満を持ち、
マクレランを解任した。
しかし後任の司令官達もリンカーンを納得させることは出来ず、
グラント就任まで何度も司令官交代を繰り返すことになった。