アヤ=ソフィア

[ビザンティン帝国以降]

ビザンティン帝国の代表的建築物である聖堂。 ハギア=ソフィアとも呼ばれ、ギリシア正教の総本山である。 その名は「聖なる知性」即ち神の知性を意味する。 最初の建物はコンスタンティヌス2世の代に建設されたが、 首都コンスタンティノープル共々ニカの乱で荒廃した後、 ユスティニアヌス大帝がトラレスのアンテミオスと ミレトスのイシドロスという2人の建築家に命じて再建させた。 これが現在のアヤ=ソフィアの原型である。 ビザンツ建築の象徴とも言えるドーム構造を採用し、 内部に荘厳な世界を創り出している。 また、首都コンスタンティノープルを神に捧げるコンスタンティヌス大帝と アヤ=ソフィアを捧げるユスティニアヌス大帝の壁画が残されており、 当時の会心の作であることが窺える。 後にコンスタンティノープルを征服したトルコ人は、 賢明にもこの建物をモスクとして改造し、 トルコ様式建築の模範とした。 トルコ人から見ても、このアヤ=ソフィア大聖堂は輝く都 コンスタンティノープルの象徴であったようである。 共和制に移行した後、再び改装して美術館となった。 そして、現在にも当時の文化の一端を伝えている。

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