軍人皇帝時代(ぐんじんこうていじだい)

[ローマ帝国]

セウェルス朝最後の皇帝アレクサンデルが暗殺されマクシミヌスが即位してから 「天性の統治者」ディオクレティアヌスが即位するまでの50年間の呼び名。 ほとんどの皇帝が軍隊によって擁立されたためこのように呼ばれる。 一般に皇帝として勘定されるのは18人だが、各地で自称皇帝が並び立ち、 「30人僭帝」と呼ばれるほど乱立した時もあった。 彼らの内天寿を全うしたのは1人だけ、他は全て戦死または暗殺である。 殺された中にはアウレリアヌスやプロブスといった優秀な人物も含まれている。 セウェルス朝があまりにも軍人を優遇し過ぎたため、この時代に暴走し、 このような群雄割拠の混乱を招いた。 結局、ディオクレティアヌスが形だけの共和政を諦め、皇帝を専制君主に変え、 また帝国領土の責任を共治帝と分担することで、ようやく収まった。 また、この時代にドナウ川沿いのイリリクム属州の派閥が力を増し、 以後多くの皇帝の出身地となる。

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