アンシャン=レジーム

[ヨーロッパ−近世]

フランス革命以前のブルボン王朝絶対王政期の社会体制。 旧体制と訳される。 国民は第一身分の聖職者、第二身分の貴族、第三身分の平民に分けられていた。 世俗の貴族より聖職者が形式上上に置かれたのはインドのカースト制と同様である。 第一・第二身分は特権階級として免税特権を持っていたのに対し、 第三身分は三部会以外に国政に関与する機会を持たない上、 三部会自体ほとんど開かれなかったため事実上蚊帳の外に置かれていた。 ただし裕福な者は金銭で官位を買って法服貴族となることが出来、 逆に貴族が没落することもあった。 このような体制でブルボン朝は支えられていたが、 ルイ14世・15世の代の相次ぐ戦争によって国家財政が困窮した。 ルイ16世三部会を招集し事態の打開を図ったが、 特権の維持に拘泥する第一・第二身分の反対によって頓挫した。 そして不満を募らせた第三身分によってフランス革命が勃発し、 アンシャン=レジームは崩壊、最高権力者であった王の処刑へと繋がった。 ナポレオンの没落後、王政復古と共にアンシャン=レジームも復活したが、 革命を体験した国民には到底受け入れられず、 再度の革命によって完全に消滅した。

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