アル=アーディル

[中東−中世]

アイユーブ朝のスルタン。建国者サラディンの弟。 その名は「公正」を意味する。 兄に従って武功を立て、それ以上に外交で活躍して イングランド王リチャード「獅子心王」との和睦の立役者となった。 ただし、才能があり過ぎて兄に警戒されていたという。 兄の死後、その息子達による権力闘争が始まったが、 アーディルはそれを利用して己の権力を獲得し、 長男アル=アフダルを追放して自分がスルタンになった。 即位後は得意の外交能力を発揮し、 十字軍国家との間に平和を築き、 ヴェネツィアなどとの交易で国を発展させた。 内政の業績は兄以上かもしれない。 しかし、後に十字軍は再開され、国土が侵略を受ける中心臓発作で急死した。 そのため国を守る役目は息子のアル=カーミルに受け継がれた。

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