[ヨーロッパ−近世]
当時スペイン領だったネーデルラントがスペインに対して起こした反乱。
結果としてオランダ独立へと繋がったためオランダ独立戦争と呼ばれる。
ネーデルラントはブルゴーニュ公領からハプスブルク家へと渡り、
カール5世の退位後は息子フェリペ2世の治めるスペインの領土となった。
この頃ネーデルラントではプロテスタント改革派が広まり、
カトリック原理主義者と言えるフェリペとの溝は深まった。
また経済の統制もネーデルラントの商人達の反感を募らせることになった。
ついに対立は頂点に達し、ネーデルラント諸州は反乱を起こした。
当初は民衆の暴動であったが、
ネーデルラント貴族が責任を取らされて処刑されたため、
彼らの一人であったオラニエ公ウィレム1世が合流、
反乱軍の指導者となった。
カトリックが多数はであった南部では反乱は沈静化されたが、
北部は指導者ウィレムの暗殺後もスペインに反抗し続け、
事実上ネーデルラント共和国(オランダ)として独立した。
その後もスペインとの戦いは続いたが、
ポルトガルの植民地を奪って莫大な香辛料貿易の富を手にし、
またウィレムの次男マウリッツの軍事手腕もあって、
最終的にオランダ側が有利な条件で終戦した。
この後スペインはオランダのみならずイギリスにも敗北したこともあって
徐々に衰退し、
オランダは植民地との貿易で得た富でイギリスに敗れるまでの1世紀ほどの間
繁栄を謳歌することとなる。