ロンドンオーキットショー
50年以上続いている伝統を誇るラン展ですが、初期の形をそのまま継承していると思える素朴な展示です。
前日出展者が材料を持ち込んで展示しますので、東京ドームのラン展のように、大掛かりで凝ったディスプレイで見せるというというところは全くありません。
周りはすべて華麗な洋ランに囲まれましたが、花の無い展示というのがかえって目立ったようです。
ロンドンオーキッドショウでは花がないもの、鉢が見える展示は審査の対象外というルールがあるそうですが、私の展示は多分そのルールを破った初めて展示だったのではと思います。
ちなみに他の展示はすべて鉢をラッピングしたり、苔に埋めたりしていました。
園芸王国イギリスでもランと鉢の取り合わせを鑑賞する、また花ではなく葉を鑑賞するという世界があることを初めて知ったようでした。わたしの展示で日本にも古くからこのような園芸文化があるということを強く印象付け、ただ汗水流して働くだけと思われていた日本人が見直されて、苦労が報いられた思いでした。
それというのも、イギリスでは園芸や優れた園芸家に対する社会的評価が、驚くほど高いのです。そいう下地を知ると、日本人が200年も前からこのような高度な園芸文化を築いていたということに、イギリスの園芸愛好家たちがカルチャーショックに似た驚きをもったことが理解されます。 |