999 

 今年もまた大井川鐵道でナイトトレインが運行されますね。
 2000年から神尾崩落災害のあった時期を除いてほぼ毎年実施されてきたナイトトレインですが、実はそれ以前にも何度か夜行列車イベントというのは不定期に行われていました。
 その中でも異色だったのは、1997年9月に実施された夜行列車イベント。
 通常、夜行イベントは千頭での転車台夜間撮影会がメインなため、日の短い冬場に行われるものですが、この時はまだ暑さの残る9月初旬。なぜこんな時に行われたのかと言いますと…。
 実は「平成9年(1997年)9月9日」で「9並び」の日で「999」号を運転しよう!
 …という一種のシャレから起こったイベントなのであります。(^^;
 ところが、カレンダーを見ると実際の9月9日は火曜日で、イベントを行うにはちょっとタイミングが悪い。ならば!ということでその直前の土曜日、9月6日に運転を行うことになったワケで。
 「9がひっくり返って6になったと思えばいいじゃん」という、なんともスゴイ理屈のもとに。(^^;
 「999号」といえば、もう皆さんご存知の松本零士氏の「銀河鉄道999」からのイタダキであることはおわかりの通り。運転実施に際しては、もちろん松本零士氏に正式な許可をもらって「999」のヘッドマークをつけ、夜行列車の車内イベントでは抽選で松本零士氏直筆のサイン色紙の抽選会が行われ、参加賞として「銀河鉄道999」のテレホンカード(メーテルと鉄郎のイラスト入り)が全員にプレゼントされました。
 さて実際の千頭での夜間撮影会はというと…。
 やっぱり9月初旬ではあまりにも日が長く、19:00近くなってもまだやっと薄暮の状態。 「夜間撮影会」というより「トワイライト撮影会」でしたが、まあ、これはこれでいいかと。(^^;
 2005年度C12164の時の家山でのトワイライト撮影会は、実はこの時のイベントをヒントにしたものでした。

千頭駅構内 C5644「999」

 「999」のヘッドマークをつけた列車イベントはこれまでいろいろな場所で行われているはずですが、やっぱり今ともなれば大井川鐵道が一番似合いますね。なにせ客車が旧客ですから…。(願わくば、C623健在の頃に北海道で一度やってほしかったな〜)
 ちなみにこの「999号」、千頭までの往路は101レでC5644とC11227との重連での運転。千頭到着後、7両編成を3両と4両に分割し、3両はC11227に牽かれて102レとして金谷に引き返し、残りの4両を夜行「999号」変1004レとしてC5644が牽いたのでした。

青部〜崎平 C5644+C11227 「999」

 ここで「???」と思われる方がおられると思います。
 「C56って大井川では客車3両しか牽けないんじゃなかったっけ?」って。
 確かにそうなんですが…。
 この時は参加者が多く客車3両では納まりきれなかったため、急遽4両編成にしたのですが、千頭から新金谷まではほとんど下り勾配なのでなんとかなるだろうと…最大の難関は上り列車で唯一の長い上り勾配:下泉トンネルの20‰でしたが、そこは通常だと停車となる下泉を一気に通過して、勢いをつけて登るという作戦で。実際には登り切ったときにはもうC5644は青息吐息で停止寸前でしたが。(^^;
 大井川鐵道の蒸機といえば、やはりヘッドマークなしの昔ながらの姿が一番いい、と思うのは誰しも同じですが、この「999」のヘッドマークだけは。いつか夜行列車イベントの時にもう一度つけてくれないかなぁ?などと思ったりもします。今度は赤ではなく、アニメと同じ黒地に999と書いたヘッドマークを…来年あたりやってくれませんか〜?大井川鐵道さ〜ん。(^^;;;
(1997年9月 上:千頭駅構内、下:青部〜崎平)