雨の桜臨
家山の桜まつり。「桜臨」と呼ばれる臨時列車が仕立てられ、県内各地から花見の団体客などが押し寄せる日。大井川鐵道では以前から「桜臨」ダイヤというのが設定されていて、定期の101〜102レに加えて1001レ〜1002レ、あるいは1003レ〜1004レ、それでも運びきれないとなると1101レ、1102レ、1007レ、1006レといった家山折り返しのスジが使われて、新金谷〜家山間に限って言えば蒸機列車が4往復、5往復ということがありました。
そんな、花見客も鉄道ファンも楽しみにしていた桜まつりの日。
しかし、「花に嵐」のたとえがあるように、往々にして桜の時期には3日に1日は雨。運悪くそれが桜まつり当日の土日に当たってしまったことが何度かありました。
満開の桜も鉛色の空から降ってくる雨に叩かれて恨めしげ…。
走行写真を撮ろうにも、露出が稼げず、また花の色も暗くなりがちで撮影意欲は減退。仕方なく家山に入線してくる1001レをホームから撮ったりして。ちょうど1102レが入れ替わりに発車するところで、奇しくも雨の交換風景となりました。
ちょっと懐かしい風景ではあります。
(1994年4月 大井川鐵道 家山)