ねこたび日記

2022年5月25日(水) 快晴 睦月島 二日目 
昨日と同じ時間に高浜港へ。
今日は怒和島に行く…つもりでした。ところが、
キップ売り場の窓口に着いたとたんなぜか口から「睦月まで」という音葉が。(^^;
そう。今日は最終日。もう一度あのチャトラーズとのんびり過ごしてみたい。
怒和島でもいいんだけど、あの島は忽那諸島の端っこ。滞在時間が短くなるんですよね。
怒和島に行くならやっぱり旅の初めのほうがいい。また秋に…ね。
そうして着いた睦月港。
今日も快晴。暑くなりそうです。

朝8時前というのにこの光。もう夏の光ですね。

おはよう~!

と言いながらチャトラーズが集まっている小学校前へ。

ここはめったに車も通らないし、目の前のお宅の方々とも顔見知りになっているので遠慮なく傍らにあぐらをかいてじっくり猫たちの写真を撮ります。
「あれ?また来たん?えっぽど(よっぽど)好きなんやねぇ、猫が」
なんて笑われてしまいましたが。(^^;

そうしてると猫たちが寄ってきて猫まみれに。
「ずいぶん好かれとんね。やっぱりわかるんやね~、猫好きな人を」
通りかかったおじさんにも笑われて。
「昨日も来とったじゃろ?」
ハイ。(^^;

猫の世話をしてるおばさんが出て来てそのおじさんに
「なんね、7時の船で病院行く言うとったじゃろ?寝坊したん?」
「ほうよ。猫に起こされて夜更かししたけんな。10時前の船で行ってこ~わい」
「予約やったんやなかね?」
「かまん。知った先生やけん」
この島の人も高齢者が多い。だから、言葉も伊予弁そのままの会話が多いです。松山の町中に行くと若い人中心に標準語っぽい言葉遣いが多いのですが、やはり郊外や島になると方言は残ってますね。伊予に限ったことではないですが。方言というものがだんだん消えていくのは淋しい気がしますね。
特に伊予弁は、この独特のやわらかい響きが好きです。
ただ不思議なもので、同じ忽那諸島でも松山に近い睦月島や野忽那島・中島は伊予弁ですが、西に離れた津和地島や怒和島は純粋な伊予弁とは違って広島弁のニュアンスも混じってるような気もします。
ちなみに東京だって方言あるんですよ。東京弁というやつが。
今は下町の高齢者しか使わなくなっちゃったかなぁ…ちゃきちゃきの東京弁、いやさ江戸言葉は。
私が子供の頃は縁台将棋しながらべらんめえ口調で喋るオジサンたくさんいたんですけどね。(^^;

この白い子もチャトラーズの一員。
そう、ここには茶トラ・茶白に混じって真っ白な子もいるんですよね。茶トラ同士の子でも白い子が生まれたりするようで。
今回生まれた子にも白い子がいますよね。

聞けばこの子は3年前に生まれたとか。
…とすると、ひょっとして3年前に来た時に会った仔猫??
あの時も白い子がいた。確かに。
3年ぶりの再会~♪
思わずはしゃいでしまいました。
猫たちの朝ごはんにはまだ間があるようで。
それまでちょっと港の風景でも撮ってこようかな、と思って歩きだしたら…

二匹ついてきます。(^^;

この二匹、どっちも女の子。姉妹でしょうね。

皆と一緒にいないと朝ごはん食べそびれるかもしれないよ~~。大丈夫?(^^;
ポテポテ私と一緒についてきて、港に。

睦月島はみかん栽培を主としている島。島の基幹産業は農業ということになりますが、わずかながら漁業もおこなわれています。

だから今でもそこここに漁網が置いてあります。

昨日は見なかったこちら側からの西側の家並みの眺め。いい感じです。

二匹揃ってポーズ取ってくれました♪

漁港に舫われている船のほとんどはみかんを運ぶための農船ですが、わずかながら漁船もいるんですよね。
浜に上げられた船にはこんな名前の船もありました。(^^;

この睦月島、松山から釣りで訪れる人もいます。

ちょうど朝の漁から帰った船かな。普通、漁港の猫だとおこぼれの魚をもらいに船に近寄る子が多いんですが、この二匹は無頓着。
さすがはみかんの島の猫、というべきか。(^^;

タコつぼもたくさん積んでありました。
瀬戸内海の各島、タコ漁は盛んですよね。

ちょっとジャラシで目線引いてみました。(^^;

ついでに遊んで…。

さて、そろそろ皆のところに帰ろうか。朝ごはんの時間になるよ、そろそろ。

今度は私が二匹の後をついていく形に。ときどき「遅いよ~!」なんてせかされたりする。(^^;

ハイ、間に合いました。朝ごはん。(^^;

この後の半日。
昨日同様あちこちの集落を歩いて家並みを撮ったり海を眺めたり。そしてまた戻ってきて猫たちと戯れたり…。

ちょっと暑い日だったけど、のんびりと過ごしました。
「喉乾くじゃろ?これ飲んで」
と渡されたのは「ポンジュース」でした♪
ありがとうございます~♪
「安政」の年号が刻まれた鳥居。

新緑の木立に覆われた神社。

その神社のすぐ下にいた子。

集落の北側にも別のグループの猫たちがいるんですよね。今日はそんな子たちにも逢えました。

時折島の人が自転車で通りかかる…。

睦月を出て野忽那に向かう高速船。睦月島に入る船は一日上下とも7便。うち3往復は高速船です。

小学校の校庭に出て来たハチワレ君。
この子は集落はずれのお宅の飼い猫だそうです。

そして今日も元気な仔猫たち。(^^;

そんな仔猫を見守る雄猫。
この子が実は仔猫たちのお父さんです。

猫って、一般的に子育てをするのは雌猫の役目で、雄は雌に子供を産ませるとあとは子育てにはノータッチ。そういうイメージが強いですよね。
私も近年までそう思っていました。

ところが、実際はいるんですよね、イクメンパパがけっこう。(^^;

甲斐甲斐しく仔猫の様子を見て遊び相手にもなっているんですよ。

人間の男子も「子供のことは女房に任せてある!」なんて言い放って残業・麻雀・赤ちょうちん、というお父さんが多かったですよね。昭和の時代は。(^^;
でも今や男も家事育児の時代。猫を見習いましょう~。

優しいお父さん。
いや優しいのはお父さんだけじゃなくて、皆だね。
もちろんお母さんもしっかり仔猫にお乳をあげてる。
その周りをまるで守るようにいろんな猫が取り囲んでいて…ファミリーなんだね。

しっかり仔猫たちを見守っていて…ちょっと仔猫がはめをは外すと、「こっちは危ないからそっちで遊びなさい!」とばかりに連れ戻したり。
この動画に出てくるのは雄猫ですけどお父さんじゃない。オジサンです。
いや実際の「おじさん」じゃなくて「お兄さん」かもしれないけど…昔の下町の通りにいた「近所のおじさん」的な存在かも。
佐柳島もここもそうだけど、猫の性格ってその島の人たちの姿を鏡に映したようだな、と思います。
人が優しいところは猫も優しい。
それは島でも町でも同じ。

といって優しさを「押し売り」するわけじゃない。
お互い無理のない、自然な付き合いができていることが大切。昔の人は意識せずともそれができていた。人に対しても猫に対しても。
島の人たちの猫との付き合い方を見ていると、ふとそんなことを思うんですよね。
帰りの船の時間が来ました。
名残りは尽きないけどチャトラーズに別れを告げて港へ。

8日間、素晴らしいお天気に恵まれた、そして猫たちに癒された旅でした。
三年ぶりだった瀬戸内の旅でしたが、島猫の愛らしさ、風景の美しさ、そして島の人々の優しさはまったく変わっていなかったです。
猫写真家として今までいろんなところに行きました。
宮城の田代島、東京の下町、鎌倉と江の島、広島の尾道、九州の島々…どこもいいところです。
でも私が一番心安らぐ場所はやはりこの愛媛・香川の島々ですね。
私はどちらかというと気に入った場所に何度も通うという方なので、これからもやはりこのルートを何度も旅することになるんでしょうね。
今回は東からでしたが、次回は西からかな?(^^;
次はたぶん11月。
島々にみかんの実が鈴なりになって、山の斜面が黄金色に染まる頃。
それまで元気で!瀬戸内の猫たち!


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