ねこたび日記

後編「塩飽本島」「青島」「睦月島」

2022年5月22日(日)快晴 塩飽本島 
今日は快晴。暑くなりそうです…。
朝7時半。丸亀港フェリーターミナル。

今日は塩飽本島に渡ります。7:40発の「ほんじま丸」。

丸亀から塩飽本島には牛島を経由して一日に8便の船が出ていますが、自動車航送可能なフェリーはその半分の日に4便だけ。この朝の便はフェリーです。
ただ、島内は港以外には駐車場はほとんどないですからクルマで来られた方も丸亀港にクルマを置いて船に乗ってくださいね。島民の方々の迷惑にならないように。
塩飽本島は一応観光地となっているので他県からの観光客の訪れも多いのですが、そうした方々はほとんど10:40の船で来ますね。今日は日曜日ですからそこそこ観光の方々も来られるでしょう。だから空いているこの時間の船で。

朝8時前とはいえもうこの季節太陽ははるか高みに昇っています。陽射しが強い。

今日も備讃瀬戸の海は穏やかです。
一般的に瀬戸内海は海が静かだと言われていますが、それでも東側の備讃瀬戸と西側の伊予灘を比べるとこちら側の方が年間通じて穏やかですね。伊予灘は冬場はけっこう波が高い日もありますから。
右舷側を見れば、逆光の中に瀬戸大橋が見えます。ちょっと霞んでますね。でもイイ感じ♪

8:15。本島港到着。
港のそばの本島漁協の建物の前で三匹の猫がくつろいでました。

人馴れしてますね。近づいても逃げません。

漁協のすぐ向かいには帆船を模したモニュメントがあります。

これは「咸臨丸」をモチーフにしたアート作品。この島は観光地だとさきほど書きましたが、その見どころはひとつには島の各所に点在するアート。
今年は5年ぶりに「瀬戸内国際芸術祭」が開かれますが、これには瀬戸内海のいろいろな島が参加しています。本島は秋会期(9/29~11/6)に参加しますがその時はこの島もまた賑わうことでしょうね。この「出航」という作品は前回にも展示されたもの(というかずっと展示されている)です。

咸臨丸については先日訪れた佐柳島にも乗組員を記念する碑が建てられていたのを覚えておられると思いますが、あの船の乗組員には塩飽諸島の人が多かったんですよ。やはり水軍の伝統でしょうか。そう、この塩飽本島はかつての塩飽水軍の根拠地だったのです。「本島」という名はそこから来ています。
さてちょっと猫と遊んだら、港の前にある観光案内所でレンタサイクルを借ります。一日500円。安いですよ♪
この島、歩いて回ることも不可能じゃないんですがやっぱりちょっと楽したい。500円で済むならね。
自転車で風を切るのは気持ちいいですね~♪
まずは港に隣接する泊集落へ。

この家の屋根の庇の下。

これもアート作品なんですよ。これと似たようなものがあちこちにあって、それを見つけていくのも楽しいです。本島の年中行事や名所、あるいは昔話などを元に創られたもので「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」という作品群で泊集落に全部で7つあります。

こんなのも。(^^;

この集落にも趣のある家並みが多いです。こういうところに来ると私、足が止まってしまうんですよね。(^^;
好きだから。こういう家並み。

重厚なたたずまいの家もありました。

ふと見れば、また猫が一匹。ちょっと暑くなってきたんで日向と日陰の境目辺りで休んでいるようです。

来迎寺。浄土宗のお寺です。1207年、法然上人がこの本島に配流となって専修念仏を唱えた場所として知られています。新緑がまぶしい。

お寺ではありますが、石垣を組んだ上に建っています。まるでお城のようですよね。

これも水軍の島の名残りかな…。お寺の境内からは海がよく見渡せます。

さて泊集落を後にして、西に向かいます。本島は各所にこういう案内標識が設置されているので歩くにしても自転車で走るにしても道に迷う心配はありません。
小阪漁港。漁船がたくさん停泊していました。朝の漁はもう終わっているようですね。人気もなく静かでした。

と、港の片隅からこっちに歩いてくる子が。堤防の後にかすかに瀬戸大橋が見えるの、わかりますか?

この子、なかなか人懐っこい子で。

飼い猫さんかな?

どう見てもカメラ意識してるように見えるけど。なかなかフォトジェニックだったりする。(^^;

漁港と猫って絵になるんですよね~。なんでだろ。世界共通ですよね、漁港と猫の組み合わせって。
ちょっとジャラシを出して振ってみると、

遊んでくれました♪

そのちょっと向こう、漁港の端っこの広場には何匹かの猫が集まっていました。

キミたち、何を待ってるの?

…と、向こうから歩いてきたオジサンについていく。猫の行進。

それを横目で見てる子もいたりして。(^^;

小阪集落に入ってみます。ところどころに猫の姿。下を見ても、上を見ても。

どこからか魚の匂い、そして数匹の猫の声。さっきの猫たち、朝の漁で獲れた魚のおすそ分けをもらっているのかもね。
小阪を後にして、島の北側の福田集落へ。
そこに行くには二つルートがあって海沿いに大回りしていくルートと島の中央を縦断する短絡ルート。どっちを通ってもいいんだけど往路は短絡ルートで行って帰りにゆっくり海回りルートを走ろうかと。ちょっとした丘を越えていくことになるんだけど、そのちょうどサミットのあたりに…。

え?ここもイノシシ出るの??(^^;
ちょうど両側が林になってて人家もない場所。こんなところでこんな看板見るとコワイ~~~。
イノシシって本気出したら自転車より速いよねぇ。
ちょっとキョーフ感に駆られて?下り坂を疾走して人家のある場所へ。やれやれ。

なんだか懐かしい看板がかかっているお店でした。
福田集落。バス停があります。ちなみにこの島のバスは一日三便。左回りと右回りがあります。

この漁港から見る海はきれいでした。

何か干してるな。さやえんどうかな。向こうに見える島は広島。そしてその左にうっすらと見えているのが高見島。残念ながら佐柳島は広島の真裏になるのでここからは見えません。

ちょっと路地を歩いたら猫がいたけど…

この子はス~ッと奥に行っちゃった。
そしたら、堤防沿いに歩いてきた子が、

モデルさんしてくれました♪

たまたま通りかかった方に話を聞いたら、この集落全体で10匹程度の猫がいるそうな。
「でも今日みたいな暑い日はみんな陰に引っ込んでしまいよる。猫見るなら朝とか夕方来んと。(笑)」
でもこの子は平気で日向でモデルしてくれたけど…。
「ああ、それは愛想ええけんな。飼い猫じゃし」
そうなんだ。(^^;
そろそろ11時。
帰りは14:15の船だから、笠島で時間を作ることを考えるとそろそろ南側に引き返した方がよさそう。じゃ、今度は海回りで行きましょうか。
生ノ浜。このあたりは海水浴場にもなっているようです。

夫婦蔵。二つの蔵がくっついてる感じ。

これはもともとは生ノ浜にあったのではなく移築されてきたようですね。

ここから小阪に戻る道はちょっとした峠越え。
この自転車、電動アシストがついているわけではないので坂を登るのはけっこうツライ。脚力自慢の私ですが、さすがに途中でギブアップ。しばらく押して登ることに。(^^;
坂の頂上まで来ると…青い海の向こうに瀬戸大橋。

ここから一気に風を切って坂を下る。これが気持ちいいんですよね~自転車は♪
ただ、調子に乗ってスピード上げ過ぎると転倒しますからちゃんとポンピング・ブレーキしながら。
小阪集落を通り過ぎ、泊まで戻ってきました。
ちょっとお腹が空いたので自転車を停めて海が見える堤防脇で昼食タイム。朝丸亀でおにぎりを買ってきてます。
青い海見ながら食べるおにぎりは美味しいですね~。
と…背中から「にゃ~」という声。振り向いてみると…。

茶トラ君がいました。
匂いを嗅ぎつけてきたか、それともおにぎりの袋を開ける音を聞きつけたか。(^^;
さすがにおにぎりをあげるわけにはいかないので、バッグからカリカリを出しておすそ分け。
そしたら、今度は違う子も顔を出して。

そう、このあたりも猫多いんですよね。さっき朝に来たときは一匹しか見なかったけど…。
この黒猫君、けっこういい面構えしてました。

この後、ジャラシで誘導して堤防に上がってもらって撮影会。

なかなかいいモデルっぷりでしたよ、この子。ちょっと優し気な顔。女の子にモテそうな感じ♪

もう一匹来ました。「ボクは?」って? 
ウンウン、かわいいよ。
もうちょっとこの子たちと遊んでいたかったけど、残り時間がそろそろ気になって。
出発地点の泊港を通り越して東へ。走ること10分で新在家の浜。ここからはかなり間近に瀬戸大橋を望めます。

そこから小さな丘をひとつ越すと、笠島漁港。

その傍らの民家の軒先では猫が一匹お昼寝中♪
なんちゅうところに寝てるんだか…。(^^;

笠島集落は「町並み保存地区」と呼ばれ、国の重要伝統的建造物に指定された家屋が密集しています。
ここに残る建物の多くは江戸期と明治期のものですが、その細長い町割りには中世以来の塩飽水軍の息吹が感じられます。

通りを見るとT字路が多く、長く続く通りも微妙に曲がりくねっていて直線的でありません。

これは外敵の侵入に備えたもので侵攻してきた敵を複数個所から矢や鉄砲で射すくめることができるように考えられたものだそうです。

ところどころに見られる格子構え。

これは元々はこの隙間から矢や鉄砲を射かけることができるように工夫されたもの。京都などで見られる格子窓に比べると幅がかなり広くて「装飾用」や「通風用」というよりも「実戦用」であることがわかります。こちらからは自在に矢を射かけることができても攻めてくる側がこの窓に向かって狙撃するのは容易ではない。そこに微妙に曲線を描いた街路が「守るに易く攻めるに難い」水軍本拠地ならではの町割りとなっています。城下町の発想と似ていますね。

昔懐かしい郵便ポスト。一応現役です。
咸臨丸水夫の生家跡。ということは幕末期の家かな。

かつては塩飽水軍の本城はこのゆるい坂を登った上に築かれていましたが、城は江戸期に破却されて今は石垣が残るのみ。
そこから望むと、家並みの向こうに瀬戸大橋が見えます。不思議なマッチングでした。

ここに来るのは三度目ですが、やっぱり時間をかけて写真を撮りたい場所ですね。でもそろそろ船の時間が…と思っていたら、

モデルさんがひょっこり顔を出してくれました。

この笠島集落にも猫が数匹いるんですが、今日は日曜日で観光客がそこそこ来るから会えないかなと思っていたんですよ。
ちょうど観光客が港に向かって引き上げたあとで私だけしかいなくなっていたのが幸いしたかな。

古い家並みと猫。
誰でも撮りたいと思う絵ですよね♪

結局この子相手に15分くらい撮影会をしてしまって。
気が付いたら「あ、ヤバイ。船の時間が…」と。(^^;
お礼にちょっとカリカリをあげて、笠島を後に泊港へ。
出航20分前に到着。

14:15発の船はフェリーではなく高速の旅客船でした。
でも料金は同じ。
丸亀港14:35着。駅までは徒歩10分。
15:19発の特急「しおかぜ15号」(「いしづち15号」併結)で松山に向かいます。
今回は奮発してグリーン車で。

松山17:23着。陽は傾いていましたがまだまだ明るいですね。
本来なら道後温泉にゆっくり浸かりにいきたいところだけど…このコロナ禍。
ぐっと我慢してホテルに直行することに。
ホテルのある大街道までは伊予鉄市内線(通称:松山市電)で行きます。
まだ旧型車両も頑張ってます♪

さて、明日は青島。朝が早いから今夜の晩酌はほどほどにしないとね。

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